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執筆者の写真伝統屋 暁

今年の干支『子年』について

更新日:2020年2月23日

令和二年は子年ですが、みなさんは干支の意味をご存知でしょうか。


日本で十二支といえば、12の生物を連想される方が多いと思いますが、元々十二支には動物の意味はありません。

最初は、十干と十二支を合わせて日付を記録するのに使われていました。

そして、季節が月の満ち欠けを12回繰り返したら循環することから月に割り当て、時刻、方位などを指すのに使われるようになったのです。


このように十二支はあらゆる概念の指標になっており、生活においても重要なものでした。

そのため、多くの民衆に覚えて使ってもらおうと、馴染み深い動物が割り当てられたといわれています。


日本への伝来は今から1500年以上前といわれていますが、

はたして当時の民衆に龍や羊が馴染み深かったのか、、、。

それは一先ずおいておきましょう。


さて、干支は本来「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」を組み合わせたものを指します。


十干:甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)

十二支:子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)


これらは月や日にち、方角に割り当てられたりしますが、年についても1年毎に割り当てられています。


なので今年の干支は子年というよりも、『庚子(かのえ・ね)』という方が正確です。


ちなみに、十干と十二支の組み合わせは60通りです。

一見、10×12=120通りになりそうですが、実はルールがあり十干と十二支はそれぞれ奇数番目同士、偶数番目同士でしか組み合わない規則なのです。


例えば、十干の1番目の「甲(きのえ)」は十二支の偶数番目である「丑」「卯」「巳」「未」「酉」「亥」とは組になりません。


次に“子年”になるのは12年後の2032年ですが、次に“庚子”になるのは60年後の2080年になるということです。


実は還暦という概念はここから来ています。生まれた年の干支を再び迎える年です。


十二支の「子」の意味・由来


では続いて、今年の干支の庚子について、十二支の「子」や十干の「庚」の意味について解説していきます。


十二支はあらゆる概念の指標となっていますが、子についてまとめると以下の通り。

・時刻:23時~1時頃 ・方角:北 ・月:旧暦11月 ・五行:水 ・陰陽:陽 ・シンボル:ねずみ


子は本来「孳」という字で、

孳とは、孳孳(じじ)/つとめる/はげむ/しげる/繁殖する。

うむ/子をうむなどの意味をもつ漢字です。


十二支では、種子の中に新しい生命がきざし始める状態を指します。

そもそも十二支は植物の循環の様子を表しています。


子の前後は『亥⇒子⇒丑』となりますが、

『亥』は本来『閡』で植物の生命力がその内に閉じ込められている状態。

『丑』は『紐』で芽が種子の中に生じてまだ伸びることができない状態という意味。


この間に子があります。


十干の「庚(かのえ)」の意味


つづいて十干の『庚』の意味についてです。


・読み:かのえ(訓)、こう(音) ・方角:西 ・五行:金 ・陰陽:陽


『更』という字に通じ、植物の生長が止まって新たな形に変化しようとする状態を指します。


そして十干も様々な概念に使われることが多いのですが、陰陽五行説が特に重要です。


陰陽五行説における「庚」の意味


十干は陰陽五行説(陰陽思想+五行思想)がそれぞれ割り当てられており、それが運勢を占うのに使われたりします。


陰陽思想:全ての物事を「陰」「陽」の2つに分類する思想

五行思想:万物が「木」「火」「土」「金」「水」の5種類の元素からなるという思想


十干はそれぞれ


甲:きのえ=「木」の「兄(陽)」

乙:きのと=「木」の「弟(陰)」

丙:ひのえ=「火」の「兄(陽)」

丁:ひのと=「火」の「弟(陰)」

というように五行思想+陰陽思想で構成されています。


それぞれ陰陽思想(2種)と五行思想(5種)の組み合わせの2×5の十干です。

庚は「かのえ=金の兄(陽)」です。


今年の干支の「庚子(かのえね)」の意味や特徴


最後に十干と十二支を合わせた干支『庚子』の意味や特徴について解説していきます。


陰陽五行説で2つを見た時、組み合わせにより「相生」「比和」「相剋」「相侮」「相乗」に分類され、お互いを強め合ったり弱め合ったりする関係性となります。


『庚子』の場合「庚:金の陽」「子:水の陽」で“相生(そうせい)”という関係です。


相生:相手を強める影響をもたらす


特に金生水といい、金から水が生じるイメージです。

勉学や仕事、恋愛、健康などそれぞれが相互に影響をもたらし合います。


なにかに行き詰まったときは全く別のものから活路を見いだせることもあるでしょう。


つまり今年、『庚子(かのえね)』は

変化が生まれる状態、新たな生命がきざし始める状態といえます。

今までとは違うやり方を試したり、全く新しいことに挑戦するのに適した年とも言えるでしょう。


自分の直感を信じ、ガンガン行動してみてください!



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